還暦男のつぶやき

自己満足のエッセイ

古都奈良のジョッギング散策

私は、ジョッギングを趣味として30数年経つ。かつてはフルマラソンを走ったことがあるが、もとも大して速くない上、フォームも悪く両膝半月板の手術をしたこともあり、今や散歩程度。走っている人を抜かすことはまずない。昨秋まで東京に住んでいた時も、週に一回、多摩川沿いを散歩の延長線上で毎週末走っていた。天気のいい早朝に富士山が遠方に見える景色は、本当に気持ちがよかった。

退職し奈良に戻り、少し時間的に余裕もできたので今は2回/週程度走ることにした。そして少し刺激も欲しくなり、10数年ぶりに3月マラソン大会(ハーフ)に臨むことにし、今少しずつ負荷をかけだしたところ。

そして先日、ハーフマラソンの私の目標タイムである2時間半を、距離は考えず走り続けることにした。今回は、その時々の景色や感じたことを紹介しながら、古都奈良を感じて頂ければと筆をとった次第。

この日は朝9時スタート、大寒波で西日本を中心に大雪の朝で、あまり雪の降らない奈良市内もうっすらと雪化粧。徐々に雪は溶けたが、とにかく寒いスタート。地元の川(富雄川)沿いに走ると、右手に霊山寺という寺を見ながら、ひたすら南下。途中、立ち寄りはしなかったが、先日「過去に例の見ない」剣や刀が発掘されたという富雄丸山古墳が近くにある。

富雄川沿いの霊山寺

その後、大和郡山城跡に向かう。この城は、豊臣秀吉の弟の秀長や江戸時代には柳沢吉保の居城となったところだが、城はなく今は公園となっている。歴史の奈良と言っても、城下町の風情を醸し出すのは、この辺くらいだ。

右側の塀が郡山高校

城跡の道を挟んだ反対側に県立郡山高校がある。かつては夏の甲子園でベスト4の実績もあり、ロッテの荻野外野手の母校でもある古豪だが、ここ20年以上甲子園には縁がない。公立高校で、天理・智弁の壁を崩すのは、もう無理かなあ。

せっかくなので、城跡に上り、奈良盆地を見渡す。遠方に雪の若草山が見える。ちょうどこの日の夜は、年に1回の山焼きの日であり、草を焼くところがきちんと整備されているのがわかる。(結局、この日は夜も雪が降り、1割程度しか燃えなかったとか・・・)

左奥に見えるのが若草山三笠山

そして城跡を後にし、秋篠川沿いに薬師寺唐招提寺を見ながら走る。御存知の方も多いと思うが、皇嗣である秋篠宮殿下の名前の由来は、この川の上流にある秋篠寺に由来する。この辺はサイクリング道でもあり、道が整備され、気候の良い時にここを走るのは実に気持ちがよい。また私の走力から言っても、この辺を走るときは一番気持ち時間帯だ。

左手に薬師寺が見える

秋篠川沿いを北上すると、平城宮跡にたどり着く。この平城京跡は、120ヘクタールあり、私が調べたところ甲子園球場の30倍以上の広さ。私が子供のころは、広大は草の広場という感じだが、今は朱雀門大極殿などが整備され少しずつ観光地としての体をなしてきつつある。

朱雀門 鹿はいません

10数年前にテレビドラマ「鹿男あをによし」で、主演の玉木宏さんが平城宮跡を歩くシーンがあり、そこに鹿が映っていた。でも鹿は奈良公園にいても、平城宮跡には一匹もいない。当時家族でこのドラマを見ていて、「なんでやねん!」と家族で騒いだことを思い出した。

数分に1回は走ってくる近鉄電車

朱雀門から、近鉄電車の踏切を渡って大極殿に向かう。遺跡の間に近鉄電車が横切っているが、県外の方にとっては、「遺跡の間を電車が走るなんて」と驚きのようだ。

平城宮内は通路が整備されているので自由に走ることができる。久しぶりに大極殿に入って玉座でも見ようと北端に向かう。この大極殿、無料で自由に入ることができが、入り口には警備員の方がいて、検温・消毒の指示あり。このだだっ広くて、開放された建物で、客も私以外に一組なのに・・・。まあ、文化庁の管轄だから仕方ないのだろうが、少し滑稽さを感じる。

奥に見えるのが大極殿

このころになるともうスタートから2時間経ち、私のカラータイマーもピコピコと鳴り始め、近鉄の最寄り駅から電車に乗って帰宅することにした。途中、真ん中にお地蔵さんがある交差点を通り、最寄りの大和西大寺駅へ。

地蔵と自動車が共存

大和西大寺駅」・・・聞かれたことも多いが、この駅前広場で昨年7月に安倍元首相の事件があった今は、駅前整備の工事中で、当時の面影は消えつつあるが、心の中で合掌をして駅へ。予定通りトータル2時間半のジョッギングを終了。

何とか防げなかったのか・・・

本日の走行キロ数は18キロ。「もう少し、鍛えないと3月のマラソンは苦労するなあ・・・」と感じるとともに、奈良の良さも感じた半日。皆さんもぜひ、奈良へお越しを。