還暦男のつぶやき

自己満足のエッセイ

幼児の日々―老いと子どもの対称的な関係

歳をとると、人間は子どもに戻るとよく言われる。ちょうど今、そのことを実感している。父は実家で母と二人暮らし。要介護認定も受け、母の面倒で何とか暮らしている。いわゆる「老老介護」というやつだ。

私は月に数回、実家を訪れ、買い物や通院などの手伝いをしている。その際に会う父は、どんどん「子ども化」している。例えば、

・食べ物の好き嫌いが激しくなり、気に入らないものは食べない

・どんどんわがままになって、自分のことをしようとしない

・急に機嫌が悪くなって怒り出す

・嫌味を言う時「・・・していますー」と変に丁寧語になる

といったところだ。

で、この言動は、まもなく幼稚園に入ろうする孫に酷似している。まさしく父と孫は、精神年齢的はほぼ同等にある。二人は「対照」ならぬ「対称」の状態だ。

孫は、パパやママから厳しく叱られることがあるが、父には「今更かわいそうだから」ということで誰も、もう何も言わない。まさしく坂を登っていく孫と急降下する父。精神年齢が逆転するのも間近だろう。

という自分も還暦を過ぎ、既に「子ども化」が始まっているかも。日常の言動に注意して、進行を抑えるようにしなければ。いつまでも大人の姿を見せ続け、孫とは「対照的」な状態をキープしないと・・・・。

いずれにせよ、父母には、いい老後を過ごし続けてもらいたい。