還暦男のつぶやき

自己満足のエッセイ

新たな気づきと笑いが詰まった重松清の「カモナマイハウス」

作家の重松清の「カモナマイハウス」を読んだ。

重松さんは、私とほぼ同世代。今迄も新作を読むたびに、その時々の自分の心情と重なる点があった。今回も今まで通り、主人公は同世代で、感情移入できた。また、この人の本は、完全ハッピーではなく、どことなく詫びさ・切なさがあるので、現実感が漂う点も好きだ。

              

さて、ストーリーは別にして、今回私の心をうったフレーズが2点あった。一つは、「温故知新」。といっても「故き温ねて 新しきを知る」ではなく、「故き温ねて 新しきを知る」というもの。

「故きを」とすると、何かしんみりとした、厳かなイメージを連想するが、「故きが」となると、自分事と感じ、当事者意識が高まる。しかも温ねる先は、故きである必要はなく、新しきものを知ることができるのなら、どこでも構わない。なんか、好奇心が湧き出て、積極的に行動しようとする気になる。

二つ目は、「夫婦っていうのは、愛情に始まって、友情になって、人情になって・・・で、最後に行き着くところが・・・・根性!」というもの。

これには思わず声を上げて笑ってしまった。絶妙な表現。どうしたら、我々のような還暦世代の気持ちを代弁できるのだろう。そうだ、これからは、根性を持って一緒に暮らせばいいんだ。またエネルギーが湧いてきた。

さて、「故き」である私は、どこに行ったらいいか。もしいいところがあれば、どなたか教えて頂けませんか。「根性」は十分あるはずなので、どこでも大丈夫です!