還暦男のつぶやき

自己満足のエッセイ

失われた「場」

NHKに「ドキュメント72時間」という番組がある。ご存じの方も多いと思うが、ある場所に取材陣が3日間張り込んで、そこに来る様々な人たちの人間模様を描くものだ。毎年末、その年に放映された中から視聴者が選ぶベスト10が午後の数時間かけて放映される。

(参考|https://www.nhk.jp/p/72hours/ts/W3W8WRN8M3/

先日のジョギング中の歩道の花壇の写真(本文とは関係ありません)

私は、年末はバタバタしているので録画しておき、年明けに少しずつ見ている。今年も年明けに録画を見ているがこの番組、実に味わい深い。採り上げられる場所は、大型模型店、仲間で作った北海道の露天風呂、ドライブインのうどんの自動販売機、看護学校、雪の津軽鉄道など様々。この番組を見ていると、ひとそれぞれ自分にとっての大事な「場」あるとつくづく感じる。

私には昨秋以来2つの「場」がなくなった。ひとつは、職「場」。定年を少し残し、自らの都合で退職し個人として仕事をすることにしたわけだが、40年近く、良い意味でも悪い意味でも当たり前のようにあった「場」がなくなった。

もうひとつは、かつて行きつけの焼き鳥店。昨秋まで東京で暮らしていた際、足しげく通ったお世辞にもキレイと言えない店。70歳後半の地域のみんなに愛された店主が年末に急死したために閉店。東京を離れたとはいえ、今後上京時に行こうと思っていただけに、悲しみは大きい。

ということで、どんどん自分にとっての大事な「場」がなくなっているような気がする。今年は故郷で反転攻勢をかけ、新たな「場」との遭遇できることを期待している。