還暦男のつぶやき

自己満足のエッセイ

「サザエさん」と「舞いあがれ!」

サザエさん症候群」。月曜日から始まる学校や仕事のことを考えて、日曜日の夕方から憂鬱な気分になることで、殆どの方が、子供時代から、また大人になってからも経験したことがあると思う。

私も昨秋退職するまで、数十年の長期にわたり「サザエさん症候群」に悩まされてきた。私の場合、日曜日の夕方ではなく昼頃から早くも心の中に雲が漂い始める状況で、「サザエさん症候群」ではなく、「のど自慢症候群」といったところか。あの最初の鐘の音が症状発生の合図だった。

でもこの症状、退職すると知らぬ間に雲散霧消と化した。私は退職後、ささやかに個人事業主として働くことにしたが、まだまだ仕事のオファーは少なく、仕事の上の悩みはあるものの自由度は高い。そのせいか、苦悩の程度は以前より低いため、曜日自体はあまり気分に関係しなくなった。

ということで、曜日と気分の関連がなくなった生活を始めて数か月経ったが、最近また、特定の曜日が苦痛に思えるようになった。それは何曜日かというと金曜日。ウイークエンドを迎えて、心がウキウキする日なのになぜか?

実は、NHKの朝ドラ「舞いあがれ!」のせいだ。金曜日の放送終了後、その続きが気になって、月曜日まで「舞ちゃん、どうなるのか・・・」と悶々としてしまう。ご存知のとおり、朝ドラの放映は月曜日から金曜日まで、かつては土曜日まであったが、働き方改革で土曜日はその1週間のダイジェスト放送になっている。

だから、金曜日の朝を迎えると、土日は悶々とせねばならないのかと少し憂鬱になる。この「舞いあがれ!」は、ストーリーもうまく練られ、関西に住む私にとって関西弁も心地よく、完全にドラマのとりこになっている。また、金曜日放送の最後に、視聴者の気を持たせるような翌週の予告もあり、一層、気持ちをイライラさせる。

つまり、「舞いあがれ!症候群」にかかっているわけだ。でもよくよく考えると、この症候群、翌月曜日には、すっかり解消されてしまう点が「サザエさん症候群」とは大きな違い。こんなのを症候群と言ってると「サザエさん症候群」の方から叱責を受けるかも知れない。

ということで、こんなことに気を使うより、春に番組が終了した後にやって来ることが確実な「舞あがれ!ロス」の対策を考えるようにするとしよう。